精神科医Dr.Chikaの音楽と認知症

楽曲制作と認知症音楽療法に取り組んでおります。文章を書くのはあまり得意な方ではないため、読みづらい箇所もあるかと存じますが、ご容赦いただければ幸いです。

【音楽療法新聞】 2019年1月

本日より、認知症老健の個別音楽聴取を再開しました。

米国を中心に行われている思い出の曲をヘッドフォンで聴く手法です。


Dr.Chikaの『音楽と認知症』パーソナルソングが認知症患者の心を呼び覚ます

前回までは効果判定を目的とするものでしたが、今回は持続的に、認知症老健のサービスの一環として取り入れながら、より多くの対象者についての効果判定も引き続き行っていく形で再開することができました。

 また今回からは専属の作業療法士さんに施行いただく形で、私の方での効果判定と共同で進めて行きます。

対象者の選定

認知症老健に入所されている100名近い利用者さんの中から、私の方で対象者の選定を行いますが、対象となる方は主に以下のような方です。

認知症の最重症者

・集団のレクリエーションに参加不可能(常時臥床または状況認識ができないことにより参加不可能である方)

・長谷川式簡易知能評価スケール0点~5点の方(30点満点・20点以下で認知症の疑いとされます)

・指示動作が困難あるいは会話ができないことなどから身体的なリハビリの介入が不可能である方

・難聴がない方

 

聴取曲

個別に用意された曲を聴いていただければベストですが、嗜好が不明のため個別曲を用意できない方には1950~60年代の流行曲を聴いていただき、反応を見ながら思い出の曲を探っていく予定です。

評価方法

・聴いている時の様子を記録

・普段の様子の観察

・長谷川式簡易知能評価スケール

QOLスコア

BPSDスコア

・フェーススケール

 

認知症最重症者に対してできること

認知症の最重症者の方は、身体面のケアがより重要になります。具体的には、誤嚥による肺炎予防や転倒予防・尿路感染などの予防です。認知症が進行すると身体機能が損なわれ嚥下機能や歩行能力も低下します。認知症の主な死因は肺炎・骨折などの身体的な原因であるため、その予防が最優先となります。

そういった状態の方は、自発的な日中の活動はすでに行えなくなっています。老健の本来の目的である、リハビリの介入が難しくなってきます。そのような認知症の最重症者と言われる方々に対して、働きかけができる残された方法として、個別音楽聴取を数年前から試みています。個人差はありますが、表情の変化や自発的な歌唱といった、QOLの向上や、言語能力の改善・不穏減少なども、これまでに見られています。

来週以降、対象者の皆さんの反応が楽しみです。

 


drchika.hatenablog.com

drchika.hatenablog.com

drchika.hatenablog.com